蔵元訪問

 年に一度の蔵元訪問。古本酒場コクテイルのイベントもサタホンも失礼してです。
 例年通り雨。家内は参加者に雨夫クンか雨子ちゃんがいるのだろうと主張。激しく同意。
 蔵元のある駅に集合だったのですが、古本屋を見つけてしまい集合時間に遅刻しかけたとかそういうことはおいておいて。
 行き先の蔵は純米酒にこだわっている蔵でそのミチでは名高いところ。呑みながらイロイロとお話を伺う。
 この蔵元は日本酒の将来に深刻な危機感を持ち続けている人でその状況をナントカするために地道にされどアツク活動しておられる。
蔵元自らポータブルの燗付け機と一升瓶を担いで一軒一軒飲み屋を廻るんだぜ!
利の薄い純米酒だけしかやらないんだぜ!
 その他、後進の指導やら啓蒙活動やらはもはや一企業の努力の範囲を超えているようにも思えるけれども。
それもこれも危機感と「では、どうするか?」という戦略とアクションに他ならない。誰かがやるのを待っているのでは手遅れになるのだ。
 何もかもが日本酒の滅亡を防ごうという目的に収斂していく、その辺の種明かしをしてもらうのは一種爽快なほど。
 全体としてはシラフで伺うと深刻になっちゃうだろうけれども、酒が入っているので暗くならずに聞いていられる。酔いが醒めそうではありますが。

 我々は成果物である美味い酒を呑んで楽しく酔っ払っているだけだけれども、その裏側にある苦労を考えると徒やオロソカニハできないのです。
 ちゃんとした日本酒を買ってきて、正座して呑みましょう。もっと。もっと。

 一箱古本市も仕掛けに乗る側の我々が気がつくことのない苦労が仕掛け側にはあるんだろうなぁと、想像してみたり。正座しなおしてみたり。